ノギスを使ったことはありますか?
定規やメジャー(巻尺)で測りにくい円柱状の物などを計測するのに便利な測定用の道具「ノギス」。
一見誰でも簡単に使えそうで、知らないと意外と悩んじゃう。そんなノギスの使い方について解説します。
ノギスについて
ノギスは小数点以下まで精密に測定できる測定器です。
ノギスの歴史は17世紀から始まり、英語ではvernier caliper(バーニヤキャリパー)と言います。
各部の名称
① 外側用のジョウ
対象の外経を測る為の箇所。
② 内側用のジョウ
クチバシとも言って、対象の内径を測る為の箇所。
③ 本尺
目盛がある本体部分を本尺といいます。
本尺にある目盛を本尺目盛と呼びます。
④ スライダー
この部分をスライドさせて対象物を挟んだりして計測する。
スライダーにある目盛を副尺目盛またはバーニヤ目盛と呼びます。
⑤ デプスバー
深さを計測する為のバー。
ノギスで出来る4つの測定
一般的なノギスでは4種類の測定が出来ます。
外経測定
一般的に一番多いノギスの測定方法だと思います。
外側用のジョウで対象物の外経や厚さを測定することが出来ます。
内径測定
クチバシ(内側用のジョウ)を使い穴の内径などを測定します。
深さ測定
ニョキっと出ているデプスバーで穴の深さなどを測定できます。
段差測定
クチバシ(内側用のジョウ)は段差になっています。
その段差を利用して段差になっている部分の距離を測定することが出来ます。
ノギス測定時の目盛りの読み方
次はノギスの目盛を読み方を説明します。
ノギスには定規のように目盛がついているので一見すると、簡単読めるように思えますが実は知らないと意外と迷っちゃいます。
例として今回は十円硬貨の外経を測定した値で説明します。
今回使用するノギスの最小読取値は0.1mmなので小数点以下の数値まで測定することが出来ます。
では測定するために10円玉を外側用のジョウで挟みます。
対象物を挟んだら、まずはバーニヤ目盛(副尺)の0点と本尺目盛の対応箇所を粗読みします。
(粗読み=大体この位かな?と目星をつける)
この場合23mm~24mmの間ですね。
ここまでは多分読み方を知らなくても大丈夫だと思います。
問題はこの次の小数点以下の目盛の読み方です。
小数点以下の値はバーニヤ目盛と本尺目盛の合ったところを読み取ります。
うん、正直なんのことか全くわかりませんね (´・ω・`)
ということで下の図をご覧ください。
簡単に言うと赤丸で囲んだ上の目盛と白丸で囲んだ下の目盛が一直線に重なった箇所の値が精確な数値になります。
図を見ると合っているのはバーニヤ目盛の5の部分なので0.5mmと読み取ります。
(単位が0.1mmなので2の箇所だったら0.2mm、8だったら0.8mmとなります)
つまり今回測定した十円硬貨の外経は23.5mmとなります。
以上がノギスの目盛の読み方です。
ザックリと説明しましたがご理解いただけましたでしょうか?
読み方を理解した後でも正直言ってなんかふわっとしてて釈然としませんよね……。
まぁ実際に精確に測定出来るのだから、それだけノギスっていうのは良く出来た素晴らしい測定工具だということですね。
目盛りを読む必要のないデジタルノギス
細かい目盛を見るのが苦手という方には測定の値をデジタル表示してくれるデジタルノギスがあります。
アナログノギス(普通のノギス)に比べてちょっとお値段が高めですが、瞬時に数値が出るのでとても便利ですよ。
他にも目盛部分がダイヤル状の文字盤になったダイヤルノギスもあります。