金魚や熱帯魚の病気治療・体力回復に効果的な「塩浴」。
塩浴についてはコチラの「弱った金魚への特効薬は塩!?塩浴をしてみよう!」でその効果とメリットを紹介しました。
今回は前回の記事でも少し触れましたが、塩浴する際の注意点・デメリットについて説明させていただきます。
目次
水草には絶対NG
魚達には効果的な塩浴ですが、飼育している水槽に水草を入れている場合は注意が必要です。
塩浴を行うときには水槽の飼育水に塩を入れて0.5%程度の濃度の塩水を作ります。
そう、塩水です。
当然ながら水草は海草ではないので塩水にとても弱いのです。
金魚や熱帯魚に適した水草類(カボンバ・アナカリス等)は濃度が0.5%の塩水だとほぼ枯れてしまいます。
あと注意すべき点としては塩浴を行っている販売店で金魚等を購入した際に袋や容器に一緒に入れる水はそのまま塩水の可能性が高いです。
その水ごと御自宅の水槽に入れてしまうと、当然ながら水槽の塩分濃度が上がります。
まぁ多少上がったところで問題はないので、水槽の大きさや水の量によっては気にすることはないと思いますけどね。
砂利やオーナメントについて
水槽内に敷いている砂利や置いているオーナメント(飾り)も忘れずに撤去しましょう。
せっかく塩浴前に水草を撤去しても、塩浴を終えた後に水草を戻すときに砂利やオーナメントに付着している塩分で水草が弱ってしまう可能性があります。
勿論塩浴後に綺麗に洗えば問題ないのですけどね。
バクテリアにもダメージ?
熱帯魚や金魚等を飼育する際の水づくりに欠かせないバクテリア(微生物)ですが、バクテリアにとって塩浴はどうなんでしょう?
とくに水槽に濾過装置(ろ過器)を入れて飼育している方が多いと思いますが、濾過装置はフィルター部分に繁殖した濾過バクテリアによって水槽内を綺麗に保ちます。
「水中フィルター(ろ過器)は茶色く汚れても交換しちゃダメ!?」
もし塩浴でバクテリアが死んでしまったら大変ですよね。
これについてはバクテリアは大丈夫という説と、バクテリアにとっても良くないから撤去すべきという説の両方があるみたいですが、私の知り合いの業者さんの話では0.5%くらいの濃度の塩水では気にしなくていいとの事でした。
(濾過部分を外してエアレーションで酸素だけ送ってもいいかも)
勤めていたホームセンターでも濾過装置はそのままで塩浴を行っていました。
(まぁ店では常時塩浴状態だったので参考にはならないかも……)
ただし、水槽内のバクテリアが完全に死滅してしまうことはないようですが、一時的にバクテリアが減少して多少なりとも濾過装置の効果が少なくなるのは間違いないようです。
その後にどうやら塩水に耐性をもったバクテリアが繁殖するみたいです。
凄いというかちょっと怖い (´・ω・`)
気になる方は濾過装置も塩浴前に水槽内から撤去しましょう。
薬品浴(薬浴)の場合
塩浴の場合と違って薬品はバクテリアに大ダメージを与えてしまうのです。
常時塩浴は金魚にとってマイナス?
塩浴すると元気になるなら常に塩を入れておけばいいんじゃないの?って思いますよね。
実は違うんです。
塩浴は人間で言うと点滴で栄養を補給する無菌室のような環境をイメージしてください。
病気の治療には最適ですが、ずっとそこで過ごしていると筋力や免疫力が低下してしまいます。
その状態で病気になってしまうと通常より症状が悪化したり、薬が効かない、逆に効き過ぎる薬による負担に耐えられないなどの事態になってしまうことも考えられます。
普段はある程度の雑菌のある場所で過ごすことによって免疫力をつけるのは人間も金魚も一緒なんですねー。
塩浴(塩水浴)は病気予防ではなく、弱った金魚への一時的な回復措置としましょう。
販売店で常時塩浴しているのは何故?
ホームセンターなどの販売店で常時塩浴しているのは、売れる→入荷→売れる→入荷…のサイクルが早いというのと、入荷時の移送や環境の変化でどうしても弱ってしまうので常に塩を入れています。
(勤めていたお店はそれほど大型の店ではなかったのですが、それでも毎週何十匹もの金魚が入荷していました)
常時しっかりとプロが管理している専門店では違うみたいですけどね。
まとめ
さてここまで塩浴の注意点を説明させていただきました。
色々とネガティブな部分も書きましたが、塩浴は上手に行えば金魚等を飼育する際に絶大な効果を発揮するのは間違いありません。
手間がかかったり、面倒だと思うこともあるかも知れませんが適切に塩浴を行いましょう。
塩浴に限らず生き物を飼う際は、常に飼育している生き物にとって何が一番いいかを考えて上手に飼育してくださいね。