ミドリガメの飼育は意外と大変!?飼うときの注意点と豆知識

ホームセンター等でも販売していてペットとして人気の高いカメ。お店で小さくて可愛いカメがのんびりしている姿を見ると飼いたくなるのもわかります。

だけど実はカメを飼うのは意外と大変なんです。ここではカメを飼う際の幾つかの注意点を簡単に説明していきます。

カメはお日様が大好き

正確にはカメは陸地での日光浴が絶対に必要です。「甲羅干し」って言葉がある位ですからね。では何故日光浴(甲羅干し)が必要かをご説明します。

体温の調節

カメは自分で体温の調節が出来ない変温動物です。その為、日光を浴びてその太陽熱によって体温を調節しています。体温が低いままだと徐々に弱っていってしまいます。

病気の予防

カメは甲羅に紫外線を浴びることによって病原菌などを殺菌するほか、骨や甲羅の維持にも紫外線が必須になります。なので日光浴をしないと病気になったり、甲羅が変形したりしちゃいます。

室内で飼う場合

カメが生きるためには日光浴が必要だということはわかっていただけたと思います。

カメを飼うときは陸地をつくり、日光浴が出来る環境を整えることが大切です。
しかしミドリガメなどを室内で飼っている場合、毎回太陽の当たる場所に移動させたりするのは結構大変ですよね?
そんな方の為に太陽光の代わりになる専用のライト(バスキングライト)があります。カメさんの健康の為にも購入をご検討してみてはいかがでしょう?

カメはきれい好き

カメは基本的に水中で生活します。

餌を食べるのも水の中、フンをするのも水の中、睡眠も水の中です。なので当然ながら水槽などでカメを飼っていると水槽の水はスグに汚れてしまいます。そしてとっても水を汚すカメなのですが、頻繁に掃除をしてキレイな水に替えてあげないと弱って病気になってしまうのです。これがカメはきれい好きと言った理由です。

カメの水替えの頻度は?

それでは水槽の水替えはどの位の頻度ですればいいのでしょうか?

答えは毎日交換が理想です。とは言ってもやっぱり毎日水替えをするのは大変だと思うので、最低でも週に二回(3日に1度)程度は必要だと覚えておいてください。

カメ用の水中フィルター(ろ過装置)を設置するのも効果的です。

水替えの仕方

基本は水槽の水を全部捨てて、新しい水に全て交換します。

まずカメを別の容器などに移し、水槽の水を捨ててフンや食べカスなどを掃除した後に、金魚などと同様にカルキ(塩素)を抜いた水道水を入れます。陸地やフィルターなど水槽の中に入れている用具もキレイに洗いましょう。

カメとサルモネラ菌

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「カメは病気をもっている」と聞いたことはありませんか?

カメは体内に「サルモネラ菌」という細菌を保菌しています。このサルモネラ菌は食中毒の原因となる菌で、感染すると発熱、下痢、嘔吐などの中毒症状を起こしてしまいます。昔、幼児の感染があったことからカメの保菌が有名ですが、実はこのサルモネラ菌はカメだけでなく犬や猫、鳥など様々な動物の中にいます。

サルモネラ菌中毒の予防法

菌をもっているということでカメに危険なイメージをもってしまうかも知れませんがしっかりと予防すれば全然大丈夫。

一番の予防方は手洗いです。カメを触った後、水槽掃除・水替えなどを行った後にしっかりと石鹸で手洗いすればほとんど心配する必要はありません。更に細菌が繁殖しないように水槽や中の水を常に綺麗に保つのも効果的でしょう。

最も注意が必要なのは免疫力の低い小さなお子様がカメを触った手を洗わずに口に入れたりすることです。お子様がいる場合はしっかりと言い聞かせ、飼育する環境には充分注意してください。

ミドリガメは侵略的外来種

日本のペットショップやホームセンター等で普通に販売されているミドリガメですが、実は外国から来たカメなんです。

そしてさらにミドリガメは「緊急対策外来種」に指定されています。

緊急対策外来種って何?

環境省と農水省が公表している「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に指定された400種類以上の生物の中でも、緊急性の高いかなりヤバイ生物ですよって事です。

お店で見たときは小さくて可愛いミドリガメを気軽に購入して飼い始めたはいいけど、徐々に大きくなって飼えなくなってしまった。もしくはお祭りの夜店の売れ残ってしまった行き場の無いカメ達を、殺すなんて可哀想って事で川などに逃がしてしまう様な例が多数あったようです。

そして逞しいミドリガメ達は日本のあちらこちらで大繁殖!日本に元から住んでいた在来種イシガメ君を叩きのめし、農作物まで食い荒らしてやりたい放題。これは大変ってことで国のお偉いさんが駆除や規制をやっと始めたところです。まぁちょっと遅すぎた感じもするけどね……。

他にも身近なところではアメリカザリガニなんかも指定されています。

飼っちゃいけないの?

じゃあ飼育しちゃマズイんじゃないの?でも普通に売ってるよね?と思った方もいると思います。

今のところ(2016年現在)ペットとして飼うのは問題ありません。ただ説明した通り、安易な気持ちで逃がしたりすると生態系に深刻な影響を与えてしまうので、飼うと決めたなら最後まで責任をもって飼育してください。

特定外来生物

今現在は飼っても問題ないと書きましたが、近い将来「緊急対策外来種」の上のランクである「特定外来生物」に指定されることが確実視されているようです。

この「特定外来生物」に指定されると無許可での販売、飼育、そして野外へと放つなどの行為がすべて犯罪となります。もうあと数年でお店でミドリガメを見ることがなくなるのかも知れませんね。

カメの豆知識

え!?カメって溺れるの?

カメが溺れるって聞いたことありませんか?実は私の働いていたホームセンターでもカメ(ミドリガメ)が溺れてしまうので陸地をつくってくださいと説明している人がいました。

えー、まず結論から言うとリクガメじゃない水棲ガメであるミドリガメは溺れません!!

上の方で説明したとおり陸地が必要なのは甲羅干しの為であり、溺れてしまうからではありません。もしミドリガメが溺れていたら病気や体力の低下など他の要因を疑ってください。

※ 画像のカメは陸ガメなので泳げません。

ミドリガメの本当の名前は……

ミドリガメが外国から来たと説明しましたが、正式名称は「ミシシッピアカミミガメ」と言います。自由の国アメリカからやってきました。

爬虫鋼カメ目ヌマガメ科アカミミガメ属に分類されるカメで、アカミミガメの幼体が「ミドリガメ」と呼ばれています。

カメの寿命は?

「鶴は千年、亀は万年」なんてことわざがある位長寿のイメージがある亀は何歳まで生きるのでしょう?

流石に一万年は無理ですが小さなミドリガメでも20年から30年は生きるようです。巨大なガラパゴスゾウガメなんかは200才くらいまで長生きするみたいですよ。スゴイですね!