グリースを使用したことはありますか?
機械の性能を最大限に引き出すために大切なことの1つに適切な潤滑剤の使用ということがあります。
機械にはオイルのような液体では潤滑できない部分も多く、そういう箇所にはグリースが用いられます。
今回はグリースについて解説していきます。
目次
グリースってなに?
そもそもグリースってなんなんでしょう?
潤滑剤(又は潤滑油)の英語訳だと思っている方もいるのではないでしょうか?
グリースは潤滑油の粘度を調整して半個体状にした潤滑剤のことをいいます。
つまり潤滑油とグリースはどちらも機械類の潤滑に使用するものですが、使用方法も使用箇所も違う別のものになります。
そして潤滑のために使用するエンジンオイルなどの潤滑油やグリースなどの物質全般をまとめて潤滑剤といいます。
グリースの構造
グリースは潤滑のために使う潤滑油と、潤滑油を半個体に保持しておく増ちょう剤の組み合わせで成っています。
そして更に使用環境に応じた特殊な性能を付与するために添加剤を配合されることもあります。
グリース=潤滑油+増ちょう剤+添加剤
グリースの特徴
グリースは耐荷重性が強く、飛散・漏洩が少ないのが特徴です。
また増ちょう剤が配合されているため、金属部材への吸着力が強いので摺動部への使用に適しています。
自動車などの駆動系に多数存在します。
ちなみに「しゅうどう」と読んでしまいがちですが、「しゅうどう」は慣用読みで正しくは「しょうどう」です。
グリースのちょう度
グリースは増ちょう剤の量によって硬さを調整できます。
ちょう度はグリースの硬さを表す単位です。
ちょう度番号 | 000号 (No.000) | 00号 (No.00) | 0号 (No.0) | 1号 (No.1) | 2号 (No.2) | 3号 (No.3) | 4号 (No.4) | 5号 (No.5) | 6号 (No.6) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
混和ちょう度範囲 | 445~475 | 400~430 | 335~385 | 310~340 | 265~295 | 220~250 | 175~205 | 130~160 | 85~115 |
状態 | 半流動状 | 軟らかい | やや軟らかい | 普通 | やや硬い | 硬い | とても硬い |
主なグリースの種類と特徴について
シャーシーグリース
ちょう度番号 1号
カルシウム石けんを増ちょう剤として作られたグリース。
耐水性に優れているが、耐熱性があまりありません。
乗用車やトラックなど各種車両の足回りや駆動系の摺動部の使用に適しています。
極圧シャーシーグリース
シャーシーグリースに極圧添加剤を配合した極圧シャーシーグリースもあります。
油膜の保持効果が持続し、摩擦や焼き付きを防ぎます。
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リチウムグリース
ちょう度番号 2号
リチウム石けんを増ちょう剤とし、耐水性・耐熱性・機械安定性に優れた万能グリース。
産業機械の摺動部など様々な箇所に使用できる適用範囲の広いグリースです。
モリブデングリース
ちょう度番号 2号
リチウムグリースに添加剤として二硫化モリブデンを配合したグリース。
対荷重性能が向上。二硫化モリブデンが金属面に付着し、摩擦・磨耗を防ぎ部品の寿命や給脂間隔の延長効果もあります。
グリーススプレーについて
グリースと言えば蛇腹のカートリッジのイメージですが、実はスプレータイプもあります。
シュッと一吹きのスプレータイプですが、想像以上に高粘度で使いやすいですよ。