夏が終わり、秋が始まるころホームセンターや電気店には数多くの暖房器具が並び始めます。
お店に行くと目に付くのはやはりコタツや石油ファンヒーターでしょうか?
私が勤めていたお店でも一番多く在庫を持ち、一番売れ行きが良かったのはファンヒーターでした。
価格もお手ごろで使い方も簡単。素早くお部屋を暖めてくれるとても便利な暖房器具です。
しかーし、私が今回おすすめしたいのはそんなファンヒーターではなく昔ながらの「石油ストーブ」です。
山積みされた最新のファンヒーターやカラフルでオシャレな電気ヒーター等があるなかで、売り場の一角に昔ながらのお姿で威風堂々と鎮座する石油ストーブの魅力について説明させて頂きます。
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目次
石油ストーブの3つのおすすめポイント
“風が出ない”ので音が静かで乾燥やホコリが気にならない!
石油ストーブはファンヒーターに比べると稼動時の音がとても静かです。
ファンヒーターは熱をファンで送風する仕組みのため、どうしてもファンの回転音が気になります。
また温風が出るタイプの暖房器具はどうしてもその風によって部屋の埃が宙に舞ってしまいます。
どんなに小まめに掃除をしても生活をしていると埃は出てしまうものです。
特に喘息やアレルギーを持っている方には埃が舞う心配の無い石油ストーブをおすすめします。
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水を入れたヤカンを置くだけで“加湿器要らず”
昔は石油ストーブの上にヤカンが乗っかっているのが『コタツにみかん』と同じくらい一般的な冬の風景でした。
乾燥する季節に加湿はとても重要です。
勿論加湿器を使えばいいのですが、冬場は灯油代に電気代、ガス代となにかとお金がかかる季節なので少しでも電気代を節約したいですよね。
そんなとき石油ストーブなら上に水を入れたヤカンを置くだけで加湿器に早変わり!お部屋をあっという間に潤してくれますよ。
ストーブは普通に使用しているだけで燃焼時に大量の水蒸気を発生させています。
ヤカンで加湿する場合にはお部屋の湿度に気を配りながらにしましょう。
注意!
ヤカンの他にも煮物の鍋を乗せてたり、スルメや焼き芋を焼いて食べたりと昔のストーブには何時も何かしら乗っていた記憶がありますねー。
でも実はコレ本当は乗せちゃダメなんです。
メーカー各社の説明書には、石油ストーブの上にヤカン等を乗せるのは危険なので絶対に止めてくださいと注意書きがあります。
落としたら危ないし、吹きこぼれで不完全燃焼の恐れなど様々な理由があるのでしょうが、とにかくメーカー側は全て禁止しているので何かを乗せて事故があっても補償対象外になってしまいます。
完全に乗せろと言わんばかりの形状で、特に田舎では皆バンバン乗せているのですが危険なのは確かです。石油ストーブの上に物を乗せる場合は十分注意して全て自己責任だということを忘れずに。
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“電気が必要ない”ので災害時に大活躍!
「電気を必要としない」これが最大の特徴であり、石油ストーブの一番のメリットです。
はぁ?何を当たり前のことを言ってるの?
そんな風に思う方もいるかもしれませんが、電気を使わないんじゃなくて電気を使いたくても使えない状況、つまり大地震などの災害でライフラインが絶たれたときに大活躍します。
私も実際に2011年の東日本大震災で被災した一人なのですが、震災時の3月上旬ごろの東北はまだまだ寒い日々でした。地震当日は吹雪いていた記憶があります。
幸いにも家が倒壊したり、津波に流されたりはしなかったのですが、水道や電気といったライフラインが絶たれ、暗い部屋で小さなラジオから聞こえてくるのは悲惨な状況を伝えるニュースばかり。
あの当時、エアコンやファンヒーター、コタツや電気カーペットなどの電気暖房がまったく使えない状況で、電気もガスも必要としない石油ストーブには本当に助けられました。
どれだけ灯油の備蓄があっても電気が無いと石油ファンヒーターはただの邪魔な箱でしかありません。
実際に震災後は石油ストーブが見直されて、石油ストーブを購入する方が大幅に増加しました。
あまり考えたくはないですが、いつか来るかもしれない災害に備えて石油ストーブの購入を検討してみてはいかがでしょう?
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石油ストーブ使用時のご注意
残念ながら石油ストーブもメリットばかりじゃありません。
石油ストーブを使用するにあたってのデメリットや注意事項をご説明します。
定期的に換気が必要
石油ストーブだけではなく、ガスストーブやファンヒーターなどの暖房器具は室内の空気を燃焼させるため、排気ガスによって空気が汚れてしまいます。
換気をせずにそのまま長時間使用していると室内の酸素が減少してしまい不完全燃焼によって一酸化炭素中毒になる危険性があります。
隙間風が多い古い木造一軒家ならともかく、マンション等の高気密・高断熱住宅では必ず定期的な換気を行ってください。
普段使用していると面倒に感じてしまいがちなファンヒーターが点火後に三時間位で警告音と共に自動的に消える「自動消火機能」も万が一の事故が起きないように必要なものなんです。
どの位の頻度で換気すればいいの?
換気が必要なのは解ったけど何時間に一回、どの程度の換気が必要なのか気になりますよね?
部屋の広さや気密性、ストーブの種類も人それぞれ違うので一概には言えませんが、説明書などには1時間に1~2回窓を開けての換気を1分程度との記載が多いみたいです。
必ず1時間毎にしなけらば一酸化中毒になるって訳ではありませんが、気密性の高いお部屋ほど小まめな換気が必要だということは覚えて置いてください。
芯の交換が必要
石油ストーブは長年使っていると「芯」と呼ばれる部分が劣化してしまいます。芯がダメになると点火しにくくなったり、熱が弱くなったりします。
そうなると交換が必要になるのですが、ストーブの芯は正しく使用していれば1年や2年でダメになったりはしません。
またネットなどで自分で替え芯の交換をする方法や手順を紹介しているサイトが多くありますが、個人的には素人が自分で芯交換をするのはお勧めしません。
交換作業自体は特に難しくはないのですが、ちょっとしたミスが大事故に繋がる恐れがあります。販売店やメーカーに依頼すると確かに数千円の費用がかかりますが、どうしても芯交換が必要なときはプロに任せたほうがいいと思います。
暖房器具も年々進化しています。芯交換が必要になるくらい長くつかったら新しいものに買い替える時期だと思っていいんじゃないかなぁと思います。
火傷に注意
石油ストーブはその構造上、前面や上部が非常に高温になります。
特に小さいお子様やペットのいるご家庭では熱をもった箇所に触れないように注意が必要です。
ストーブ用のストーブガードなどの商品もあるので活用してみてください。
まとめ
さてここまで色々とご説明しましたが、私はファンヒーターや他の電気暖房を否定しているわけではありません。
寒い部屋を素早く暖めるにはエアコンやファンヒーターは非常に便利で使いやすいですし、コタツでみかんは日本の原風景ですね。
赤ちゃんやご高齢の方がいるご家庭では空気を汚さず、比較的安全なオイルヒーターが一番おすすめです。
何が言いたいかというと、他の暖房器具同様に石油ストーブにも様々なメリットがあり、なにより石油ストーブは一家に一台あると安心できる暖房器具だということを知っておいてもらいたいのです。
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