日本の夏の一大イベントである「お盆」
6月、7月頃になるとホームセンターやデパートでもお盆用品が店頭に並び始めます。
お店のお盆用品のコーナーには様々な小物やお供え用品などがありますが、そのなかでも一際目を引くのが盆提灯のコーナーです。
柄や形、光り方にも様々な種類があり、大きいお店の広いスペースにズラッと提灯が並んでいるのを見ると、幻想的でもあり、でもちょっと怖いような不思議な感覚を覚えます。
ここではこの盆提灯について、いくつかご説明させていただきます。
目次
盆提灯を飾る理由
そもそも盆提灯ってなんで飾るか知っていますか?
ただの飾りじゃなくて意味があるんです。
盆提灯はお盆に帰ってくるご先祖様の霊が、迷わずに帰ってくる為の目印として飾るものです。
お店で売ってる提灯は同じのが沢山あるのに迷わないのか、なんて野暮なことは言ってはいけませんよ。気持ちを込めて灯しましょう。
また、盆提灯にはお供えものとしての意味もあります。
迎え火と送り火
盆提灯には迎え火と送り火という大切な役割があります。
簡単に言うとご先祖様をお迎えするときに明かりを灯して霊を導くのが迎え火。
お迎えしたご先祖様の霊が天に帰るときにお見送りするために明かりを灯すのが送り火です。
盆提灯はいつ頃から飾ればいいの?
さて盆提灯はいったいいつからいつまで飾ればいいのでしょうか?
前項で説明した通り、盆提灯には迎え火と送り火の役割があります。
なので基本的にはお盆期間の8月13日~8月16日(地域によっては7月13日~16日)ですが、一般的にはお盆月の月初めに飾る場合が多いみたいです。
盆提灯は何個飾ればいいのでしょうか?
基本的に飾る数に決まりはありません。
盆提灯は故人への感謝をあらわす贈り物(お供え物)なので贈られた提灯があるなら一緒に飾ってあげてください。
また、お店では一対(二個一組)で販売されていることが多く、以前は仏壇を挟むように一対、二対と飾るのが一般的でした。
しかし住宅事情などの変化に伴い対ではなく一個単位で飾るお宅も増えています。必ずしも一対でなければいけないということはありません。
新盆は白提灯を飾るって聞いたんだけど?
新盆には特別な白い提灯を飾ります。
これは新盆に初めて帰ってくる霊が迷子にならないように飾ると言われています。
新盆ってなんのこと?
故人が亡くなって四十九日の後、つまり四十九日法要を終えてから、初めて迎えるお盆のことを新盆(にいぼん)、初盆(はつぼん)といいます。
新盆はお中元やお歳暮もNG?
お正月には年賀状の代わりに喪中はがきを出しますが、お中元もしないものなのでしょうか?
答えは……
贈ってもOKです!
お中元・お歳暮は日頃お世話になった方へのお礼の意味で差し上げるものなのでお贈りしてもらって結構です。
但し、喪中なのでのし紙をかけずに無地の短冊を使用してください。
盆提灯の回転灯がうまく廻らない
盆提灯の回転灯は、内部の電球の熱によって回転灯に付いている羽が対流する空気の風をうけてまわる仕組みになっています。
うまく廻らない原因として、真っ直ぐになっているはずの軸(針金のようなもの)が曲がっていたり、羽の部分が変形していたりすることが考えられます。
また、稀に内部に静電気が生じてうまく廻らないことがあります。その場合は回転灯の内部を軽く霧吹きなどで湿らすと静電気を除去することが出来ます。
まとめ
さて、ここまで盆提灯に関する疑問について解説させていただきました。
お盆の習わしと同様に盆提灯も地域などによって異なる傾向があります。
自宅のお盆の準備もそうですが、盆提灯を贈る際には先方のご意向を伺うなどの気遣いがとても重要です。