名古屋城の外堀に出現して話題になった「アリゲーターガー」が特定外来生物に指定されました。
特定外来生物に指定されたことにより、2018年の4月からはアリゲーターガーを自宅で飼いたくても勝手に飼えなくなってしまいます。
目次
アリゲーターガーってどんな生き物?
そもそもアリゲーターガーってどういう生き物なのか知ってますか?
ガー目ガー科Atractosteus属に分類される魚類です。
アリゲーター(英語でワニ)の名前の通り、ワニのような顔をしてますが魚なんですねー。ざっくり言うと「ガー」っていう種類の魚の一種。
シーラカンスやアロワナなどと同様の古代魚でもあります。
古代魚
恐竜が我が物顔で地上を闊歩していた時代から絶滅せずに姿が変わっていない魚のこと。
化石で発見される姿と同じ奴らが今でも見れるって凄いことですよね。完成されて造形ということなんでしょうか?
生きた化石とも呼ばれます。シーラカンスが有名ですね。
生息地と特徴
主な生息地はアメリカ大陸。大きな湖や沼など、比較的流れの穏やかな場所を好む世界最大級の淡水魚です。
成長すると全長2メートルを超えて、大きいものだと3メーター超えの超大型の個体も確認されているようです。
見た目通りに肉食で魚や甲殻類を鋭い歯でバリバリ捕食します。
アリゲーターガーは美味しいの?
海外の肉食の淡水魚、まぁ簡単に想像はつきそうですが、やっぱり不味いそうです。
肉はパサパサ、しかも臭くてちょっと食用には無理っぽいらしいよ。
アリゲーターガーの天敵は……
その硬い鱗に覆われた巨大な体と、まるでワニのような鋭い牙を持つアリゲーターガー。
基本的に日本よりもずっと巨大で獰猛な生物が多い外国の水生生物の中でも、別格の存在感をもつ彼に天敵と呼べる生物はいるのでしょうか?
実はほとんど敵なしのアリゲーターガーにもどうしても勝てない天敵がいるんです。
それは……
ワニです。
アリゲーターの名を持つ彼も本家本元のアリゲーター(鰐)には勝てないのです。あっさりとムシャムシャされてしまいます。
ワニ最強。のんびりしているようで実は意外と動きも早いんですよねー。
特定外来生物って何?
特定外来生物について説明します。
特定外来生物とは日本の生態系に害を及ぼす生物を規制、防除する「外来生物法」という日本の法律によって指定されます。
「特定外来生物」とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。
特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。
「特定外来生物」に指定されるとどうなるのでしょう?
生態系や、人の生命や安全を守るために「特定外来生物」に指定された生物は様々な制限を課されることになります。
1. 飼育、栽培の禁止
簡単に言うと飼う事が罪になってしまいます。
2. 保管、運搬、輸入の禁止
海外からの持ち込みは勿論、見つけた生物を勝手に捕まえて運ぶのも禁止です。
3. 防除の実施
特定外来生物により被害が生じている、又は生じる恐れがある場合に国が防除を行う場合があります。個人で駆除することもできますが、生きたまま運搬は禁止されているので注意が必要です。
※ 個人が鳥獣保護法で捕獲が規制されている哺乳類と鳥類を勝手に駆除することはできません。その場合は外来生物法に基づく防除の確認・認定を受ける必要があります。
特定外来生物の種類
現在特定外来生物に指定されている生物は100種類以上。
有名なところだとブラックバス、カミツキガメ、セアカゴケグモ、最近話題になったヒアリなど。
そして将来的にはミドリガメなども指定されて飼育禁止になることが決まっています。ちょっと意外かも知れませんがミドリガメの被害って実は凄いみたいです。
環境省のHPで公開しているので興味のある方はご確認ください。聞いたことの無い名前の生物から、誰もが知ってる意外な生物まで様々な外来生物が指定されていますよ。
画像はカミツキガメ
まとめ
アリゲーターガーに限らず、ペット用に輸入された外来生物の問題の多くは飼い主の身勝手な行動によって起こります。
安易な気持ちで飼育を始めて、予想以上に大きく育ってしまったり、面倒になって飼いきれなくなってしまったけど処分するのはかわいそう……。
よーし、自然に返してあげよう!なんて軽い感じで川や池に放流する。そんな身勝手な行動によって生態系が破壊されてしまいます。
外来生物に限らず生き物を飼うときには最後まで責任をもって飼育しましょう。